シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン  0.04mg/L以下

シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンは、溶剤、香料、熱可塑性樹脂の製造に使用される地下水汚染物質の1つです。
化学合成品はシス体とトランス体の混合物であり、水には難溶ですが、各種の有機溶剤には易溶であり、化学合成の中間体等にも使用されます。
人に対して麻酔作用があるとの報告以外には報告例がありません。
シス-1,2-ジクロロエチレンの環境中への放出は、製造過程及び溶剤として使用する過程で起き、揮発性の為、その多くが大気中に移行します。ですので地表水を汚染したシス-1,2-ジクロロエチレンは速やかに大気中に揮散し、土壌に浸透すると吸着されにくく、地下水中に長期間滞留してしまいます。
地中のトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが還元状態で微生物分解を受けると、シス-1,2-ジクロロエチレンが生成され、地下水中では、多くの場合トリクロロエチレンと共存しています。
シス体とトランス体の混合物の毒性はLD50(ラット経口)770mg/kgで、単回投与によりラットの肝アルカリホスファターゼが顕著に増加し、多量に摂取した場合には、腹痛、咳、咽頭痛、めまい、吐き気、嗜眠、脱力感、意識喪失、嘔吐等の急性症状がみられます。

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